今年は、マーケティングの実行だけをしているのではなく、アウトプットして、いろんな方々と議論してマーケティングを極めて行きたいです。
今日は、近年出版されたマーケティング系の本で特に良かった本ベスト7をご紹介します。
第7位 プロモーショナル・マーケティング ベーシック 日本プロモーショナル・マーケティング協会
一般財団法人日本プロモーショナル・マーケティング協会の公式のテキストです。(すいません。こちらは2019年出版ですが、2020年に読んだのでノミネート)
デジタル・テクノロジーの普及・進展によって大きく変化している生活者の新しい購買行動プロセス「RsEsPs(レップス)」モデル化について書かれています。グーグルが提唱「パルス消費」 の時代で、購買行動プロセスは複雑化しており、新しい購買プロセスは、マーケターとしては知っておくべき知識ですね。
第6位 マーケティング思考トレーニング (黒澤友貴)
こちらは黒澤さんがマーケティングトレースと言って、企業のマーケティング戦略をトレース(追跡)し、言語化や図解をしながら思考力を鍛えるトレーニング手法です。黒澤さんのコミュニティーでは、テーマ企業のCMOになった想定で、戦略仮説づくりまで行う活動をしています。
この手法はMBAなどのビジネススクールでも用いられる手法でとても良いトレーニングです。マーケティングの若手や、マーケティング能力を鍛えたい人にはぴったりの本だと思います。
第5位
カイタイ新書-何度も「買いたい」仕組みの作り方 (中川悠、博報堂ヒット習慣メーカーズ)
この本は、本書は、一度だけ「買いたい」仕掛けではなく、何度も「買いたい」仕組みをつくる方法論をまとめたものです。何度も「買いたい」を分析していくうちにたどり着いたのが、生活者の「習慣化」です。
新しい習慣は今までも生み出されてきましたが、その方法論についてはほとんど議論がなされませんでした。
その習慣化について事例を交えて書いてあるので、とても興味深いものです。博報堂の調査データから導き出されている事例でもあるので、FACTにも支えられていて参考になります。
第4位 消費者行動における感覚と評価メカニズム – 購買意思決定を促す「何となく」の研究(石井裕明)
アカデミックな本は次元が違いますね。これは、上級マーケターは読むべき本です。
なんか良いけど、なぜ良いのかは説明できない。日々の生活の中でそういった経験は数多くあるのではないでしょうか。本書の目的は、そのような「何となく」評価されているものを消費者行動の理論を用いて検討しています。何となくを様々なFACTから導き出しているので、マーケティングのリーダー以上で毎日意思決定している人には、とても深く考えるきっかけになる本です。
「日本マーケティング本 大賞2020」準大賞受賞している本でもあります。
第3位 世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」マーケティング大原則 (足立光 、 土合朋宏)
やっぱり、足立さんの本はわかりやすいし、勉強になる。
顧客が求めている価値を理解(WHO)、企業が便益として価値を定義(WHAT)、最適なmormentでコミュニケーション(HOW)明確なロジックの裏付けである「WHY」これは至極当然やるべき行為なのですが、このフレームを使ってシャープに言語化するのが難しいんですよね。事例もたくさんあるので初級者にもわかりやすい本です。
第2位
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS) (西口 一希)
昨年の一番、心にヒットし共感を覚えた本ですね。この本はマーケターなら必読です。私もマーケティング戦略を立てるときに、実在する1人をピックアップし、そこから行動と心理を分析していましたが、ここに出てくる9セグマップの概念は、こういう風にまとめればいいのかと、目から鱗な概念でした。今まで頭の中で近い概念で考えていただけに、とても共感したのを覚えています。ぜひ実践で使ってみて欲しいフレームワークですね。
第1位
ブランディングの科学 [新市場開拓篇] エビデンスに基づいたブランド成長の新法則 (バイロンシャープ バイロン・シャープ、ジェニー・ロマニウク)
来ました〜〜バイロンシャープの「ブランディングの科学」の続編。
前作もそうですが、マーケターは必読です。
データに裏づけされた見解。そして今までの既存顧客やロイヤリティーが新規顧客に効果があるという理論を全く覆す理論です。
新たなモデルとして、メンタル・アベイラビリティという理論を用いて、人の記憶をベースにしたマーケティング手法を確立しており、ロイヤリティ神話を覆していて法則の中で重要なダブル・ジョパディの法則の例外がないことを強調しています。
南オーストラリア大学の論文をベースなのでデータも多くちょっと難しめですが、マーケティングってそもそも複雑な学問なので、これくらい詳しく書いてないと役に立たない。元の論文とかも見ると調査データとかとっても参考になります。実践適用するともっとパワフルな活用ができるので、読んで実践で試行錯誤して使っていくと良いと思っています。
2022年上半期の私のお勧めのマーケティング本です。どれも実践で使っているので、皆さんも読んで使ってみてください。